代表理事挨拶
黒田 泰弘
(TMGあさか医療センター ER救急センター)
日本脳死・脳蘇生学会の起源は、1980年代後半に日本救急医学会に組織された脳蘇生や脳死の病態について議論する委員会です。当時は、本邦において脳死下臓器提供の是非が盛んに議論されており、厚生省脳死判定基準(竹内基準)が公表され、「臨時脳死及び臓器移植調査会、いわゆる脳死臨調」の議論が社会の注目を集めていました。1988年に第1回日本脳死・脳蘇生学会学術集会が杉本侃先生(大阪大学救急医学教授)のもとで開催されました。以来、本学会では脳死の病態、および脳蘇生に関する医学の向上を図ることを目的として学術集会および学会誌の中で知見や課題が発表されてきました。本学会は重症頭蓋内疾患や全脳虚血の病態把握から治療、脳蘇生、そして脳死という病態を、医科学や倫理学などの側面から議論してきたことが特徴です。
あらゆる治療に抵抗し、不可逆的全脳機能不全に陥った脳死という特殊な病態は医学的に診断されますが、その後の対応は倫理的、社会的な議論をする余地も残されています。脳死下臓器提供に関連する諸問題は、関係する多職種スタッフ(医師、看護師、ソーシャルワーカー、臓器移植コーディネーター、重症患者対応メディエーター、事務系職員、など)の皆さんで共有する課題です。このように医学的、倫理的、そして社会的な側面を有する脳蘇生や脳死というテーマを多様な側面から議論をし、その結果を共有する機会を提供し、それらを社会に発信することが本学会の大きな役割と認識しています。
本会は不可逆的全脳機能不全患者および脳死判定に関わるいろいろな課題を多職種の皆様で議論する場にしていきたいと思います。
役員一覧
代表理事 |
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黒田 泰弘 | TMGあさか医療センター ER救急センター |
監 事 |
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木下 浩作 | 日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野 |
永山 正雄 | 国際医療福祉大学成田病院 脳神経内科学、予防医学 |
理 事 |
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会田 薫子 | 東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣死生学・応用倫理講座 |
渥美 生弘 | 浜松医科大学 救急災害科学講座 |
荒木 尚 | 埼玉県立小児医療センター小児救命救急センター外傷診療科 |
岩瀬 正顕 | 関西医科大学総合医療センター脳神経外科 |
小野 元 | 聖マリアンナ医科大学脳神経外科 |
木下 浩作 (監事兼務) |
日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野 |
小畑 仁司 | 多根総合病院 救急・集中治療/脳神経外科 |
坂本 哲也 | 公立昭和病院 |
永山 正雄 (監事兼務) |
国際医療福祉大学成田病院 脳神経内科学、予防医学 |
名取 良弘 | 株式会社麻生 飯塚病院脳神経外科 |
守谷 俊 | 自治医科大学大学院医学研究科救急医学分野 |
横堀 將司 | 日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 |
若杉 雅浩 | 富山県立中央病院 救命救急センター |
名誉会員 |
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有賀 徹 | 独立行政法人労働者健康安全機構 |
上田 守三 | 田無病院 |
魚住 徹 | 瀬野川病院 |
大和田 隆 | 湘央生命科学技術専門学校 |
奧地 一夫 | 医療法人藤井会香芝生喜病院 |
奥寺 敬 | 富山大学附属病院先端危機管理医学講座 |
加来 信雄 | 宗像水光会総合病院 |
桂田 菊嗣 | 大阪急性期・総合医療センター |
加藤 庸子 | 藤田医科大学ばんたね病院脳神経外科 |
神野 哲夫 | ジャパン藤脳クリニック |
北原 孝雄 | みどり野リハビリテーション病院 |
木下 順弘 | 社会医療法人緑風会緑風会病院 |
栗栖 薫 | (独)労働者健康安全機構中国労災病院 |
小濱 啓次 | 青山病院 |
坂部 武史 | 山口労災病院 |
塩貝 敏之 | 仁誠会奈良リハビリテーション病院 |
島崎 修次 | 国士舘大学大学院 |
杉本 壽 | 星ヶ丘医療センター |
杉本 侃 | 緑風会病院 |
鈴木 忠 | |
堤 晴彦 | 埼玉医科大学総合医療センター |
三木 保 | 東京医科大学医療の質・安全管理学分野 |
行岡 哲男 | 一般社団法人Medical Excellence JAPAN |
横田 裕行 | 日本体育大学大学院保健医療学研究科 |
会 則
会則(PDF) 令和7年6月18日改訂